暗記が苦手だ。本当に。
医学部にいるのが不思議なくらい苦手だ。
なのに世界史を選んだ。絶対に適性は地理なのに。
それでセンター60点台を叩き出した。あぁ忌まわしい記憶
話が逸れすぎた。私がなぜ歴史を選んだか。それは歴史上起こったことは、その立場になれば自分もそうしたかもしれないと戒めておく重大な意味があると思ったからだ
だって、歴史って本当に現実に起こったことだから
正義など、倫理など、価値観など、ただの流行り廃りでしかないし
人はどこまでも残虐になり得るし
今だって、自分だって、残虐そのものなのかもしれない
歴史を学んでいるときは、そんなことをいつも考えていた。
自分がもし古代ギリシャの市民なら、奴隷は奴隷としてコキ使って、べつに使役することも、殺すことだって何も疑問に思わずしたかもしれない
自分がもしナチス統治時代のドイツ人なら、ユダヤ人に石を投げたかもしれない。大量殺戮でさえ是としたかもしれない
べつにその人達が特別サイコパスだったわけじゃない。自分だってその立場になったら、何も疑問を抱かずにしたかもしれない。
そう思うと、怖くないか?
解剖をしているとき、ふと私は残虐なことをしているのではないかと怖くなったことがある。
もっと言おう。残虐なことをしている、これは確かで。それに対して何の抵抗もなく遂行できてる自分が怖くなったというのが正しい表現だろう
たまたま私の今生きている社会では、それが合法化され、社会的にも認められている。
だが、もし子孫が見たら、なんと酷いことをできたものだと非難するかもしれない。
だからこそ、遡及や他の文化圏への口出しは本当に嫌で
裁くでも批判するでもなく、そう思う人が、そう思う時代が、そう思う文化が、存在するんだなぁと知識にして留めたい
価値観なんて、合う合わないでしかない
絶対的な正しさなんて、存在しない
と強く自分に言い聞かせていたい